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中間選挙後に華氏119を観た感想など

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「怪傑えみちゃんねる」に出演したムーアとトランプ。華氏119公式サイトの映像より

 

中間選挙後にマイケル・ムーア監督の「華氏119」を観てきた。

マイケル・ムーア監督の息つく暇もない編集で頭をかき混ぜられた感あり、自分の頭の

整理もかねて取り留めもない感想を。ネタバレもあるよ。

鑑賞中にはいくつものシーンでこみ上げるものがあり、まさかこの映画で泣くと思ってなかった。

華氏119の意味と作品の概要

2016年11月9日、アメリカ大統領選でドナルド・トランプ大統領が登場してしまった。「119」はその11月9日を意味している。

本作は、トランプ大統領の批判や問題を追及してるだけでなく、アメリカの選挙制度や社会問題、トランプを生んでしまった背景、さらには共和党だけでなく民主党を批判する作品になっていた。

またマイケル・ムーア監督がバーニー・サンダース支持だったことと、後述するフリント出身だったことから、ヒラリー・クリントンやオバマ前大統領に激しく怒りを表明している。

ムーア的な思想の偏りやプロパガンダ色はあるが、トランプ大統領の誕生前、誕生後、中間選挙までの因果を知るにはうってつけの作品だと思う。

なぜトランプは生まれたのか

トランプ大統領が誕生したのは、「忘れられたラストベルトの労働者」からの支持だけではなく、民主党に対する支持者の落胆が大きかったという話だった。

大統領選でバーニー・サンダースがヒラリー・クリントンに負けたがその背景にヒラリー・クリントンの不正があったと指摘。

この時に民主党の中でも分断が起こってたのではないだろうか。

www.businessinsider.jp

知らなかったフリント問題

トランプの古くからの友人であるスナイダーという大富豪が、ムーアの故郷であるミシガン州の知事に就任した。権力に目がくらんだ知事は、緊急事態を宣言して市政府から権限を奪い、代わりに自らの取り巻きを送り込んだ。2013年、スナイダーのもとを訪れたトランプは、友人が支配する街を見て、羨ましそうに「次に進むためなら仕方ない。国も同じかも」などと発言。さらにスナイダーは金儲けのために、黒人が多く住むフリントという街に民営の水道を開設するが、この水に鉛が混じっていた。だが、知事は頑として問題ないと主張し続ける。

映画『華氏119』公式サイトより引用

トランプの友人スナイダー(GatewayというPCメーカーの元会長)がミシガン州知事になって衝撃的なエピソードが紹介されていた。

フリントの街の水源をヒューロン湖からフリント川に変更し、水質に鉛が混ざるという公害が発生していた。

また、当時の衛生局職員から、住民の血液検査の異常値を「問題なし」とするように指示があったと告発。

これに怒りを感じた住民に対し、オバマ大統領が現れ問題を解決すると思いきや、パフォーマンスで「フリントの水」をペロッとなめただけ。そして鉛は問題ないとの発言。

www.youtube.com

従来、フリント市はデトロイト水道下水局を通じ、ヒューロン湖の水を水源として取水していたが、同局と財政破綻状態のフリント市の管財人との支払額をめぐる交渉が決裂した結果、給水停止を通告された。やむなくフリント市は、市内を流れるフリント川から取水して、2014年4月から市内へ給水を始めた[5]。しかしフリント川の水質に問題があったため、多くが20世紀初期に敷設された老朽化した水道管が腐食し、水道水が錆で茶色く変色したり、異臭がするなどの苦情が急増した。さらに水道管のが水に溶け出し、地区によっては水道水から基準値の数十倍の鉛が検出されるようになった。

現在、同市では6歳から12歳の児童1万人以上が汚染された水道水を使用しており、血中の鉛濃度が上昇したり、皮膚病の症状が現れるなど市民に健康被害が広がっている。飲料水は全国からの寄付により、ペットボトル詰めのミネラルウォーターが無料配布されているが、水道管の更新などの抜本的対策は、財源不足のためまったく目途が立っていない。現在、行政に対する複数の訴訟が進行中で、知事などの責任追及に発展している。また同市に黒人貧困層の多いことから、行政の無策は人種偏見によるものだったとして、事態は人種差別問題に発展する様相を見せている

Wikipediaより引用

問題はこれだけでない。なんとオバマ大統領は予告なしにフリントで軍事演習を始めたのだ。

これでフリントの住民は、スナイダーの共和党だけでなく民主党にも失望し結果としてトランプ大統領にとって有利な展開となったわけです。

行動するティーン、教師たち

2018年2月14日フロリダの高校で銃乱射事件で多数の犠牲者が出たのは記憶に新しい。

エマ・ゴンザレスさんの演説は日本のニュースでも扱われてたので知ってる人も多いだろう。彼女をはじめティーンたちは銃社会への反対を訴えて結束した。

注目すべきは、大人たちはSNSやフェイクニュースで分断を進めてる一方、ティーンたちはSNSを使って結束し行動に移している

これは2020年の大統領選に大きな影響を与えるのではないか。

www.youtube.com

また、公立学校の教師たちも低賃金に対しストライキを起こしている。公立学校の教師は賃金だけでは生活できず、貧困層でアルバイトを掛け持ち生活している現状がある。

はじめはノースカロライナ州から始まったストライキがウェストバージニアからコロラド、アリゾナ、オクラホマ、ケンタッキー、ノースカロライナへと拡大した。

少なくともアメリカでは民主主義は生きていて、負の方向に動いた世界を正の方向に戻すという力がちゃんと働いているようだった

日本のような学習性無力感がないのが大きな違いだろうか?

女性やLGBTなどの中間選挙での反撃

トランプから差別的扱いを受けていた女性や、LGBTなどのマイノリティが今回の中間選挙では対立候補として立候補している様子も描かれている。

実際、 映画にも登場しているヒスパニック系の元レスtラン従業員であるアレクサンドリア・オカシオ=コルテスさんも立候補し、中間選挙で勝利を納めるといった変化が起こり始めている。

対岸の火事ではない

映画内では民主主義から専制政治に移行するとき、美辞麗句や気高いフレーズ、人種差別が横行するとあった。

実際にトランプはアメリカ明確に人種差別や宗教差別、女性差別を行っており、支持者もそれらの人々に暴力をふるってる映像もある。

これをみて感じたのは日本も近しい状況にあるということ。右傾化した政府を筆頭に美辞麗句や気高いフレーズ、支持者による人種差別的な行為が横行している。一党の政権が長期化するにつれこの傾向は加速してるように思われる。

さいごに

アメリカでは中間選挙で民主党が下院の過半をとった。そのため残り2年トランプにとってはやりにくい政権になるだろう。

弾劾についてはは下院だけでなく上院の2/3の賛成が必要なため決定することはないと思われる。ただ仮に弾劾になった場合、トランプ支持者が危険な行動を起こす可能性だけは想定しておいたほうが良いかもしれない。

たらればだが、民主党の大統領候補がヒラリー・クリントンではなくバーニー・サンダースだった場合、世界はどう変わってたのか。その世界は見てみたかったなあ。